本の出版までの流れを現役編集者が解説【図解1分でわかる】FOM編集者あみのブログ
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本の出版までの流れを現役編集者が解説【図解1分でわかる】

sakura
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[voice icon=”https://www.focusonmi.com/wp-content/uploads/2020/01/JPEGイメージ-5.jpeg” name=”AMI” type=”l icon_yellow”]本出版社勤務で、現在複数の出版社と仕事しているフリーランス編集者の私が、オーソドックスな出版の流れについてご説明します[/voice]

企画

[box class=”blue_box” title=”かかる時間や頻度”]常に[/box]

どんな本を作るか?企画を立てます。
総合出版社(複数のジャンルを取り扱う出版社)であればジャンルを決めたり、予算を組んだり、発売時期を決めたりします。

[voice icon=”https://www.focusonmi.com/wp-content/uploads/2020/01/JPEGイメージ-5.jpeg” name=”AMI” type=”l icon_yellow”]企画が編集者の醍醐味!この工程が一番好きな人も多いです。[/voice]

必ずしも企画を先に立てるわけではなく、作家のコンテンツをベースに企画を立てることもあります。

また、作家や出版プロデューサーから持ち込まれた企画をそのまま採用する場合もあります。

企画に合う著者候補を探す

出版社内で「この企画でやろう」と決定したら、企画に合う作家候補を探します。
ネットで検索したり、すでに本を出した作家に知り合いを紹介してもらったりします。

スカウト

面白そうなコンテンツを持っている著者を探し出してスカウトします。この場合、著者と話し合って企画を決めることもあります。

持ち込まれた企画を検討する

出版社には毎日たくさんの持ち込み企画が届きます。作家本人や、出版プロデューサーから持ち込まれた企画の中で面白そうなものがあればオファーを出します。

会議

[box class=”blue_box” title=”かかる時間や頻度”]随時〜月一回[/box]

編集者たちがそれぞれ企画を持ち寄って会議を行います。いわゆる企画会議、編集会議と呼ばれるものです。
編集部だけで行うものから、営業部や役員も交えて行うものまで様々です。

[aside type=”normal”] 多くの出版社が月1回ほどの頻度で行うので、もし企画を持ち込んだ場合は、最低1か月ほど返事を待たされる場合が多いです。[/aside]

[aside type=”normal”] 小さい会社なら、社長など権限のある人の一存で決まることもあります。ひとつの企画を通すかどうかで3回以上会議を行う会社もあります。 [/aside]

交渉・打ち合わせ

出版が決定したら、著者と条件交渉をしたり、発売時期や今後の進め方について話し合ったりします。

[aside type=”normal”] この段階で出版契約書を交わさないのが出版業界の謎の通例! 通常本が出る直後に契約書を交わします。[/aside]

製作

[box class=”blue_box” title=”かかる時間や頻度”]3か月〜半年[/box]

執筆・編集

原稿を作り上げていきます。

執筆と編集が同時並行で行われることもあれば、執筆が終わってから一気に編集する場合もあります。
原稿が完成することを「脱稿」と言います。

タイトル会議

本のタイトルや、帯に書くキャッチコピー、デザインの方向性などについて決めます。
編集者が一人で行う場合と、営業部や他の部署と話し合って決める場合があります。

書店に頻繁に足を運んでいる営業部に意見を聞くことが多く、編集者より彼らの決定権が強いこともあります。

[voice icon=”https://www.focusonmi.com/wp-content/uploads/2020/01/JPEGイメージ-5.jpeg” name=”AMI” type=”l icon_yellow”]編集者の一存では決められないことが多いですね~[/voice]

デザイン・図版制作

本に合いそうなテイストのイラストレーターや、装丁(表紙や本文のデザイン、紙選びなど)を行ってくれるデザイナーを探して依頼します。
写真を用いる本ならカメラマンを探したり、ストックフォト(写真素材。それを配布・販売するサイト)で写真を探して購入したりします。
デザイナーの中にはイラストも書ける方が多く、後の工程で出てくるDTPも含め、全て一人でこなすことも。

[voice icon=”https://www.focusonmi.com/wp-content/uploads/2020/01/JPEGイメージ-5.jpeg” name=”AMI” type=”l icon_yellow”]デザインは本の売り上げを大きく左右するのでとても大事です。[/voice]

校正・校閲

本の内容に間違いがないか、著者と編集者で何度もチェックします。
プリントアウトした原稿に赤ペンでチェックを入れることもあるので、「赤入れ」などとも言います。

誤字・脱字など基本的なミスがないか?(校正)
内容そのものにおかしいところがないか?(校閲)
不快表現や著作権の侵害がないか?など…。

専門家に依頼することもあります。

[aside type=”normal”] 外国語の本であれば、ここでネイティブチェックが入ります。[/aside]

[voice icon=”https://www.focusonmi.com/wp-content/uploads/2020/01/JPEGイメージ-4.jpeg” name=”AMI” type=”l icon_yellow”]何回チェックしても間違ってたりするのが編集者あるある。[/voice]

組版・DTP

ワードなどで作った原稿を、本の形になるように作り変えます。
日本語の本なら大抵縦書きなので、縦書きの形にし、イラストや写真を適切な位置に入れ、ページ番号(ノンブル)なども入れます。
現在はほとんどパソコンの「インデザイン」というソフトを使って行います。DTPとはデスクトップパブリッシングの略称です。

印刷・製本

[box class=”blue_box” title=”かかる時間や頻度”]1週間〜1か月[/box]

DTPで作った原稿のデータを印刷会社に渡し、印刷を依頼します。これを(印刷)入稿と言います。

初校・再校

印刷の見本である「ゲラ」を見て、間違いがないか?おかしなところはないか?再度チェックします。
この段階で間違いがあれば、デザイナーに戻して直してもらい、再度印刷会社に送ります。
これを何度か繰り返します。
2回目のチェックは再校、3回目以降は3校、4校…と問題がなくなるまで何度も繰り返します。

製本

いよいよ問題がなくなった本を印刷して製本し、本の形にしてもらいます。

納品

出来上がった本を取次(とりつぎ。書店と出版社をつなぐ流通会社。日販やトーハンなど)に納品すれば、全国の書店に配本してくれます。

残りは出版社所有の倉庫や出版社内で保管します。

[voice icon=”https://www.focusonmi.com/wp-content/uploads/2020/01/JPEGイメージ-5.jpeg” name=”AMI” type=”l icon_yellow”]お世話になった人に献本したい場合は、必要冊数を伝えれば用意してくれる場合も。買取の場合でも、著者であれば販売価格の7割程度で購入できたりします。[/voice]

営業・販促・プロモーション

本の制作とほぼ同時進行で行うのが販促です。

販促の重要性は増しています。できるだけ早く仕掛けて、時間をかけて宣伝しないと認知してもらえません。

書店での営業はもちろん、本が売れるようにあらゆることを行います。
書店用のチラシやポップを作ったり、広告を出したり、最近ではネット上で様々なプロモーションを行います。

[voice icon=”https://www.focusonmi.com/wp-content/uploads/2020/01/JPEGイメージ-5.jpeg” name=”AMI” type=”l icon_yellow”]多くの出版社は販促を積極的にやってはくれません…。作家自身が売るために動くことが大事です。[/voice]

発売

いよいよ全国の書店で発売されます。
この後も販促はずっと続きます。

[aside type=”normal”] 本が売れれば、この後「増刷」が行われます。 [/aside]

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あみ
あみ
編集者
書籍編集者歴10年超。なかなか大ヒットが出ないのが悩みです。才能発掘が大好き。
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