持ち込み原稿のサイズは?何枚?どれくらい書けたら送る?【編集者が教える持ち込み作法】
[voice icon=”https://www.focusonmi.com/wp-content/uploads/2020/01/JPEGイメージ-5.jpeg” name=”AMI” type=”l icon_yellow”]文字が中心の本の原稿を出版社に持ち込むときどうしたらよいか?解説します。[/voice]
持ち込みの原稿のサイズは?
A4サイズ、横書きでまったく問題ありません。
ただ、完成形はほとんどの本が縦書きになるので、イメージしながら書きたい場合はワードの設定を縦書きに変えてください。
以下が設定方法です。
①「レイアウト」タブをクリック
②「文字列」の方向で「縦書き」をクリック
③「印刷の向き」で「横」をクリックします
見本原稿はどれくらいの量送る?
まず、完成原稿を全文送るのはNGです。
読まれることはまずありません。熱意が伝わるどころか、迷惑に思われてしまうだけです。
企画に興味を持たれたら出版社から連絡がありますので、そのときは全文を送った方がよいか聞くとよいですね。
見本原稿は1万文字程度で十分です。
面白い部分や、本の売りをよく表している部分を選択して送りましょう。
ブログを元に出版する場合は、人気がある記事から選ぶのもよいですね。もちろん、本に関係のある記事だけですが…。
原稿がどれくらい書けたら送る?
原稿を最後まで完成させてから送る方もいますが、実は少数派。
多くの方は6割程度書けた状態で持ち込んでいるという印象です。
未完成の状態で出版社に持ち込んで悪い印象は与えないでしょうか?
数百社に持ち込んだ結果、「完成原稿がないと持ち込みを受け付けない」という出版社はごく少数でした。
原稿が完成しているからと言ってマイナスの印象を受けることはありませんが、「もうこれで完成なのだから、直したくありません」という人だったら嫌だな…とはちらっと思うかもしれません。
原稿は編集者とやり取りしながら何度も書き直すのが普通なのですが、それを極端に嫌がる作家だととても困ります。
出版企画書に「完成してはいるが、御社の意向に沿って修正します」のような一言を加えておくと安心感を与えられます。
出版社から返事はある?
持ち込み企画の採用率が低いのは事実です。
残念ですが、不採用の場合は理由すら告げられず不採用のお知らせが届くか、返事すらない場合がほとんどです。
催促をしても、基本的に対応してはもらえないでしょう。
でも、あきらめる必要はまったくありません。
1000社で断られたって、たった1社で通過すればいいのですから。
そうやってベストセラー作家になった人もたくさんいます。
誰もが知る名作文学にも、出版社に採用を断られた過去がある…ということで、その不採用通知を集めた本が『まことに残念ですが…―不朽の名作への「不採用通知」160選』です。
あまりに断られ続けると心が折れてしまいますが、そこであきらめてしまうと、せっかく名作になるはずだった作品が永遠に誕生しないかもしれないのです。