本のテーマを探し続けてわかった<弱みこそ強み>
本のテーマが決まらない、という方のご相談に載ってきました。
全員出版未経験ですが、8割の方はすでに出版しています。テーマさえ決まれば、本を出すのは結構簡単なんですね。
その方と3時間前後じっくりお話すると、必ず「これだ」というテーマが浮かび上がります。
それを掬い上げて企画の形にしていきます。
たくさんの本のテーマを発掘してきて思ったことは、本って強みだけでは書けないということです。かえって、その人が恥ずかしいと思っていること、隠したいこと、弱みだと思っていることにとてつもなく面白いテーマが眠っているのです。
波乱爆笑という番組で、お笑い芸人の藤森慎吾さんががけっぷちのとき、タモリさんの言葉が再ブレイクにつながったという話をしていました。
タモリさんから「お前は中身がからっぽだね」と言われたそうです。さすがにショックを受けたそうですが「違うよ、それがよさなんだよ」と。その適当さ、ノリのよさ、軽さを尖らせることで、「チャラ男」というキャラを獲得しました。
物事は捉え方次第
本当に、物事はすべてどうとらえるか?だけなんだと思わされます。
中身がない、チャラいというのを「悪いこと」と捉えるのか、それとも面白いキャラと捉えるのか?それだけです。
真面目で誠実なことがいい、と思う人にとって、チャラいことは最悪でしょうし、きっちりしているのは何かとしんどいと感じる人にとっては救いになります。
どう見るか?という解釈があるだけです。
世の中には、絶対的にいいことも、悪いこともなくて、私やあなたがいいと思うこと、悪いと思うことがあるだけ…と最近よく思います。
事実だけがあって、そこに色を付けるのはあくまでひとりひとりの感情です。
『大辞林 第三版』によれば、感情とは「ある状態や対象に対する主観的な価値づけ。」とあります。
変わることのない「状態や対象」に対する自分メガネの価値づけなんですね。
隠したいことほど「強い」
本を出すための近道は、恥ずかしい部分をオープンにすることじゃないかと思います。
専門性がないと出版できない、と思っている人が多いのですが、実はそうとも限りません。
英語が喋れないのがコンプレックスだから、英語の本を出すという人もいるのです。美人じゃないからモテ本を出す、友達がいないから人間関係の本を出す…そんなケースはいくらでもありますよね。
むしろ、隠したいことや恥ずかしいこと、コンプレックスにはすごいエネルギーがある気がしています。
隠し事を抱えて生き抜いてきた分、たまりにたまったエネルギーを一気に全開放したら、すごいことが起こるでしょう。